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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

今月の主題 表層拡大型早期胃癌

主題症例 <最大径10cm以上の表層拡大型胃癌症例>

広範に表層拡大したⅡc型早期胃癌の1例

著者: 杉野吉則1 藤沢裕久1 今井裕1 熊倉賢二1 北島政樹2 熊井浩一郎2 久保田哲朗2 大谷吉秀2 倉持茂3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断科 2慶應義塾大学医学部外科 3慶應義塾大学医学部中検病理

ページ範囲:P.623 - P.627

文献概要

要旨 患者は55歳,女性.検診の上部消化管X線検査で異常を指摘,内視鏡検査で早期胃癌と診断されて,治療目的で当院を受診した.入院後の胃X線検査および内視鏡検査では,胃体部から胃角部の前壁を中心に広範囲に浅い陥凹が拡がっており,生検で低分化腺癌を認めたため,表層拡大型のⅡcと診断され胃全摘術が施行された.切除胃肉眼標本では,胃角部を中心に体中部から幽門部の前後壁に拡がる9.5×83cm(ピンで固定後は10.0×9.2cm)の浅い陥凹が認められた.陥凹の境界は比較的明瞭で,陥凹底はやや白色調を呈し,また中央部に短い線状の潰瘍瘢痕を伴っていた.病理組織学的所見は,印環細胞癌で深達度はmであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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