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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型早期胃癌 主題症例 <最大径10cm以上の表層拡大型胃癌症例>

広範な平坦型胃villous tumorの1例

著者: 綾部俊一郎1 渕上忠彦1 岩下明徳2

所属機関: 1松山赤十字病院消化器科 2福岡大学筑紫病院病理

ページ範囲:P.629 - P.635

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要旨 患者は75歳,男性.検診目的の胃X線検査で広範な扁平隆起性病変を認めた.X線上,隆起表面はいわゆる“soap-bubble”appearanceを呈し,胃壁の伸展性は保たれていた.内視鏡では,表面顆粒状ないし結節状の平盤状隆起が体上部から前庭部まで全周性に拡がっていた.生検診断はGroupⅢであったが,病変の形態から悪性を否定できず,胃全摘術を施行した.切除標本では19×11×0.7cmの平盤状隆起で,その表面は肉眼的に絨毛状の外観を呈していた.病理組織学的には,腺管絨毛腺腫を主体として一部に高分化腺癌を含んでおり,villous tumorと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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