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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

今月の主題 表層拡大型早期胃癌

主題症例 <最大径10cm以上の表層拡大型胃癌症例>

経過観察しえた表層拡大型早期胃癌の1例

著者: 西村賢司1 丹羽康正1 宮田章弘1 長谷川央1 亀山祐行1 松井真寿美1 後藤秀実1 早川哲夫1 塚本純久2

所属機関: 1名占屋大学医学部第2内科 2愛知県総合保健センター

ページ範囲:P.637 - P.644

文献概要

要旨 患者は77歳,男性.検診の胃X線および内視鏡検査で胃体部に広範な丈の低い隆起性病変を指摘された.色調は全体に褪色調で,15か所から施行した生検結果はGroup Ⅲであった.癌の合併を考慮し,手術を勧めたが拒否されたため,経過観察となった.病変は徐々に増大し,1年10か月後に生検でGroup Ⅴの結果が得られ,2年後に胃全摘術が施行された.切除胃肉眼所見では,噴門部から胃角部にかけて全周性に16.5×13cm大の丈の低い隆起を認めた.病変は局所的には胃腺腫に類似した形態を呈し,胃体中部後壁に小陥凹を認めた.組織学的には,高分化型管状腺癌が主体で,一部に中分化型管状腺癌を認めた.また,小陥凹部で粘膜下層に浸潤を認めたが,大部分は粘膜内にとどまっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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