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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

文献概要

今月の主題 表層拡大型早期胃癌 主題症例 <最大径10cm以上の表層拡大型胃癌症例>

12×7.5cmの広範に進展した陥凹型胃癌の1例

著者: 杉山和久1 中澤三郎1 芳野純治1 山雄健次1 乾和郎1 山近仁1 印牧直人1 若林貴夫1 原田公1 小林隆1 西尾浩志1 嘉戸竜一1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.645 - P.649

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要旨 患者は63歳,女性.1か月ほど前から食思不良を訴え,前医での胃内視鏡検査で異常を指摘され,当科に人院となった.X線所見におけるアレア像の変化,空気量を少なめにした仰臥位二重造影第2斜位像での噴門側の境界線の描出および内視鏡所見での粗ぞうな褪色調粘膜の範囲によって,体中部から前庭部にかけて胃角を中心とした広範に拡がる表層拡大型Ⅱc型胃癌と診断し,胃全摘術が行われた.切除胃肉眼所見では胃角部を中心に胃体中部から幽門前庭部にかけて浅いびらんを伴う境界の不明瞭な浅い不整な陥凹病変を12×7.5cmの範囲に認めた.病理組織診断は低分化型腺癌であった.大部分は粘膜内癌であったが,胃体部前壁にかけて粘膜下層内への浸潤がみられ,その部分でリンパ管浸潤と,ごく一部で固有筋層への浸潤を伴っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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