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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻5号

1996年04月発行

早期胃癌研究会症例

幽門輪を中心とする表層拡大型早期胃・十二指腸癌の1例

著者: 朴常秀1 中根恭司1 飯山仁1 井岡真基1 奥村俊一郎1 大草世雄1 田中完児1 日置紘士郎1 頼将烈2 坂井田紀子3 岡村明治3

所属機関: 1関西医科大学第2外科 2頼内科胃腸科 3関西医科大学中央検査部病理

ページ範囲:P.655 - P.660

文献概要

要旨 患者は73歳の女性.心窩部不快感があり,胃・十二指腸X線検査および内視鏡検査で幽門部十二指腸球部の異常を指摘され来院した.内視鏡検査で幽門前庭部に白色調の平坦な隆起を認め,幽門輪は肥厚し,その一部に発赤した粘膜面が認められた.十二指腸球部にも粗大顆粒状で一部結節状の隆起を全周性連続性に認め,生検結果から腺腫内癌と診断し,十二指腸球部幽門側胃切除を施行した.切除標本では,病変は幽門輪を中心として,胃側に3.5cm,十二指腸側に3.5cm進展した広範な早期癌で,幽門輪の一部で粘膜下層(sm1)への浸潤を認めた,病変部には広範にp53が過剰発現しており,幽門輪を中心とする表層拡大型胃癌と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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