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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻6号

1996年05月発行

文献概要

今月の症例

多発性消化管カポジ肉腫の1例

著者: 澤山泰典1 矢野祐二1 裵英徳1 林純1 柏木征三郎1 檜沢一興2 青柳邦彦2 松本主之2 綾部俊一郎2 古賀秀樹2 山本智文2

所属機関: 1九州大学総合診療部 2九州大学第2内科

ページ範囲:P.690 - P.691

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〔患者〕40歳,男性,両性愛者.輸血歴なし.1994年2月ごろから高熱,全身倦怠感を認め近医を受診した.HIV抗体陽性で,カリニ肺炎の診断で3月28日当科紹介入院となった,入院時,右耳介後部・顎下・頸部リンパ節を触知した.歯肉に径8mm大の暗赤色の腫瘤あり.頭頸・鼻翼・前額・前胸部・両下肢および両足底に黒紫色の皮疹を認め,CD4細胞数は130/μlと低下していた.3月31日,激しい上腹部痛および吐血がみられ内視鏡検査を施行した.胃体部・噴門部・十二指腸に多発性の発赤した隆起性病変を認め,噴門部の隆起の一部から出血がみられたため,エタノール注入による止血処理を行った.

〔上部消化管X線所見〕体部を中心に胃全体にわたってbridging foldを伴う多数の大小不同の隆起性病変を認めた(Fig. 1a, b).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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