icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻6号

1996年05月発行

文献概要

症例

胃小細胞癌の1例

著者: 井上文彦1 西田修1 水本孝1 古川裕夫1 雑賀興慶2

所属機関: 1大津赤十字病院内科 2大津赤十字病院病理

ページ範囲:P.797 - P.801

文献購入ページに移動
要旨 患者は64歳,男性.食思不振と心窩部痛を訴えて来院した.胃X線・内視鏡検査で,胃前庭部前壁に2型様の腫瘤を認め,周堤内に大小2個の陥凹を有し,また,周堤から伸びる数本のbridgng foldに類似したひだを認めた.生検組織診断は小細胞癌で,一部に中分化型腺癌を併存していた.小細胞癌の腫瘍細胞は,Grimelius染色陽性で,免疫組織化学的にはNSE陽性,CEA,UCHL-1,L26陰性であった.血清NSE値は増加していた.腹部CT,超音波内視鏡で著明な腹腔内リンパ節腫大があり,進行期と診断,化学療法(carboplatin+etoposide)を施行した.一時期,腫瘍の縮小効果を認めたが,7か月後に死亡した.胃小細胞癌の報告は少なく,文献的に考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?