文献詳細
症例
文献概要
要旨 患者は64歳,男性.食思不振と心窩部痛を訴えて来院した.胃X線・内視鏡検査で,胃前庭部前壁に2型様の腫瘤を認め,周堤内に大小2個の陥凹を有し,また,周堤から伸びる数本のbridgng foldに類似したひだを認めた.生検組織診断は小細胞癌で,一部に中分化型腺癌を併存していた.小細胞癌の腫瘍細胞は,Grimelius染色陽性で,免疫組織化学的にはNSE陽性,CEA,UCHL-1,L26陰性であった.血清NSE値は増加していた.腹部CT,超音波内視鏡で著明な腹腔内リンパ節腫大があり,進行期と診断,化学療法(carboplatin+etoposide)を施行した.一時期,腫瘍の縮小効果を認めたが,7か月後に死亡した.胃小細胞癌の報告は少なく,文献的に考察を加えた.
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