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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

今月の主題 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)

主題

HNPCCと遺伝子異常

著者: 湯浅保仁1

所属機関: 1東京医科歯科大学医学部衛生学

ページ範囲:P.863 - P.868

文献概要

要旨 HNPCCの発癌機構を解析するため,原因遺伝子であるhMSH2とhMLH1を日本人家系について調べた.現在までに6例でhMSH2の変異が,また1例でhMLH1の変異が検出された.すべてがナンセンス変異などの蛋白質が短くなる変異であった.今後これらの家系では,遺伝子診断が可能になった.これらの2つはミスマッチ修復遺伝子であり,異常の結果,短い繰り返し配列に変異が起こりやすくなる.TGF-β Ⅱ型レセプター遺伝子は短い繰り返し配列を持っているので,解析した結果HNPCCでは高率に変異が検出された.この遺伝子の異常によりHNPCCの発癌過程が始まる可能性が高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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