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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

今月の主題 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC)

主題症例

4世代にわたり大腸癌が多発したHNPCCの1家系

著者: 塚本文音1 高見元敞1 木村正治1 高田俊明1 辻仲利政1 北田昌之1 塚原康生1 柴田高1 新居延高宏1 室谷昌弘1 飯原啓介1 小川稔1 花田正人2 大植雅之3 冨田尚裕3 門田卓司3

所属機関: 1市立豊中病院外科 2市立豊中病院病理 3大阪大学医学部第2外科

ページ範囲:P.869 - P.874

文献概要

要旨 異時性大腸多発癌患者を発端者とし,4世代にわたって,大腸癌をはじめとする多臓器癌の発生をみたHNPCCの1家系を報告する.発端者は42歳,女性.盲腸癌の手術を受けた後,12年目に横行結腸癌と直腸癌が発見され,更にその5年後に小腸癌が発生した.同胞5人のうち,弟が51歳で直腸癌,姉が乳癌(45歳時)と膵臓癌(52歳時)に罹患している.その後,発端者の長女(36歳時)に直腸癌が発生した.また姪が23歳で卵巣癌の手術を受けている.この家系には大腸癌のほかに胃癌,小腸癌,膵癌,子宮癌,卵巣癌,乳癌,舌癌などが発生しており,極めて多彩な発癌傾向がみられた.また世代を経るごとに発癌の若年化傾向が認められた.なお,発端者の長女の大腸癌組織に,replication error(RER)が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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