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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

文献概要

今月の主題 遺伝性非ポリポーシス大腸癌(HNPCC) 主題症例

長期経過観察したHNPCCの1例

著者: 田村智1 工藤進英1 中嶋孝司1 日下尚志1 福岡岳美1 平山一久1 田坂勝視1 中城一男1

所属機関: 1秋田赤十字病院胃腸センター

ページ範囲:P.899 - P.905

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要旨 24年の経過を追えたHNPCCの1例を経験した。56歳の女性.家族歴は母親と2人の異父兄弟および長男が大腸癌.ほかに母方の血縁に胃癌3人,卵巣癌3人.既往歴は40歳時(1972年),盲腸癌で回盲部切除を受けている.1988年,右側横行結腸進行癌の診断で右半結腸切除術を施行し,1型,2型進行癌とⅡa型m癌を認めた.次いで1991年,残った横行結腸に2個の2型進行癌とLST(sm癌)を認め,横行結腸切除術を施行した.その後1993年,S状結腸にLSTを認め腹腔鏡補助下にS状結腸切除術を施行し,結果はsm癌であった.以後外来で年数回の大腸内視鏡による経過観察を行っているが,現在のところ新たな癌の発生は認めていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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