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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

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「胃と腸」質問箱

著者: 大倉康男1

所属機関: 1東京都がん検診センター

ページ範囲:P.908 - P.909

文献概要

特異な肉眼形態を示した有茎性大腸ポリープの成因

質問 血便を主訴とした67歳の男性に対する大腸内視鏡検査中に,S状結腸にFig. Aのような隆起性変病が発見されました.軟らかい有茎性ポリープの形態を呈していますが,先端部のみが発赤し,基部は正常粘膜調で特異な形態の病変でした.ポリープの周辺には憩室が多発しており,出血の原因はこのポリープか憩室かは断定できませんでしたが,とりあえずポリペクトミーを試みました.切除標本ではポリープの先端部には小さい腺管腺腫の成分がみられましたが,基部に相当する部位は健常粘膜でした.

 このような病理組織学的所見から,われわれは,①大きい腺腫が存在したが大部分は脱落した,②近傍に憩室が存在することから,S状結腸の蠕動運動が亢進しており,小さい腺腫を核にして一種の粘膜脱症候群のようなメカニズムで発生した(清水論文,胃と腸27:1089,1992)のいずれかを考えていますがいかがでしょうか?(東京TK生)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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