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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

多彩な内視鏡像を呈した早期胃腺扁平上皮癌の1例

著者: 何汝朝1 五十嵐健太郎1 畑耕治郎1 月岡恵1 市井吉三郎1 斉藤英樹2 藍沢修2 渋谷宏行3 味岡洋一4 渡辺英伸4

所属機関: 1新潟市民病院消化器科 2新潟市民病院第1外科 3新潟市民病院病理 4新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.913 - P.918

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要旨 患者は52歳の男性.検診で胃の異常を指摘された.胃X線検査では前庭部の大彎側に約4cmの陰影欠損像を認めた.内視鏡検査では,同部位になだらかな隆起の上に更に一段と高い隆起を伴う腫瘍性病変を認めた.隆起の本体は大小不整な粗大結節で,結節と結節の間が薄い白苔に覆われ,びらんと出血を伴っていた.隆起とびらん部からの生検は高分化型から中分化型管状腺癌であった.摘出標本の病理診断では0-Ⅰ+Ⅱc+Ⅱa,大きさ30×25×6mm,腺扁平上皮癌で深達度はsmであった.早期の胃腺扁平上皮癌はまれで,わが国では4例の報告があるにすぎない.早期症例の集計および組織分類の問題点について文献的考察を行い報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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