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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻7号

1996年06月発行

症例

特異な形態を呈し組織学的にpseudocarcinomatous invasionを伴った大腸腺腫内癌の1例

著者: 小林利彦1 木村泰三1 吉田雅行1 櫻町俊二1 久保田修1 石原行雄1 磯部豊2

所属機関: 1浜松医科大学第1外科 2ゆたか外科

ページ範囲:P.919 - P.923

文献概要

要旨 患者は58歳,男性.下行結腸に表面結節状変化を伴う有茎性ポリープが認められ,その茎部は比較的太く,軽い捻転を呈していた.腺腫内癌が疑われ,ポリペクトミーも困難と思われたことから腹腔鏡下結腸部分切除術が行われた.腫瘤は20×18×30(高さ)mmの大きさであり,頂部の結節様部分と基部の粘膜下腫瘍様部分から成っていた.組織学的に頂部は主に中等度異型を伴う腺管腺腫であり,一部p53陽性の微小粘膜内癌が散在していた.一方,基部には粘膜筋板の異常な樹枝状増生があり,それに取り囲まれた粘液貯溜および頂部とほぼ同程度の異型性腺腫様組織を認め,周囲に出血を伴うことなどからも大腸腺腫のpseudocarcinomatous invasionと診断された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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