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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻8号

1996年07月発行

文献概要

今月の主題 Helicobacter Pyloriと胃リンパ腫 主題

Helicobacter Pylori感染の病理―リンパ腫との関係

著者: 松野吉宏1 下田忠和2

所属機関: 1国立がんセンター研究所病理部 2国立がんセンター中央病院臨床検査部病理

ページ範囲:P.951 - P.956

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要旨 粘膜関連リンパ組織(mucosa-associated lymphoid tissue; MALT)型と解釈される原発性胃リンパ腫症例は多い.その組織学的特徴は,小型ないし中型異型リンパ球(centrocyte-like cell)のびまん性単調な浸潤,反応性リンパ濾胞の混在,顕著なリンパ上皮性病変などである.種々の程度に大型異型リンパ球が混在し,低悪性度リンパ腫から高悪性度への変異が生じうることを示唆する.WotherspoonらがMALT型胃リンパ腫とHelicobacter pylori胃炎との密接な関係を示して以来,Helicobacter Pylori除菌が治療として有効であることが報告されている.個々の症例につき最適な治療を選択するため,悪性度の判定基準を明らかにする必要があろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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