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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻8号

1996年07月発行

今月の主題 Helicobacter Pyloriと胃リンパ腫

主題症例

Helicobacter Pylori除菌により胃粘膜病変の改善を認めた胃MALTリンパ腫の1例

著者: 能戸久哉1 遠藤高夫1 山野泰穂1 瀬ノ田明範1 千葉邦生1 今井浩三1 杉山敏郎2 芳村裕3 近藤信夫4 神島真人5 平山とよ子5 柴田香織5 畑英司5 矢花剛5

所属機関: 1札幌医科大学医学部第1内科 2札幌医科大学附属病院検査部 3穂別町立病院内科 4札幌病理学研究所 5道都病院内科

ページ範囲:P.1003 - P.1009

文献概要

要旨 患者は62歳,女性.心窩部痛を主訴に難治性胃潰瘍の精査,治療目的で入院した.胃X線検査では,体下部から前庭部にかけてびまん性に拡がる小型の顆粒状陰影と胃角部小彎側から前庭部にかけて不整形のニッシェ様陰影を認めた.内視鏡検査では,粘膜面の敷石状の変化と胃角部から前庭部にかけて散在する不整形陥凹を認めた.超音波内視鏡検査では,胃角部に深達度mp~ssと考えられる潰瘍エコーと体下部から前庭部にかけて第2,3層の肥厚を認めた.生検組織で特徴的なcentrocyte-like(CCL)cellとlymphoepithelial lesion(LEL)を認めたことから,胃MALTリンパ腫と診断した.Helicobacter pylori陽性であったことから,いわゆるItalian regimenによる除菌治療を試み,X線・内視鏡・超音波内視鏡上,胃粘膜病変の著明な改善を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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