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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻8号

1996年07月発行

今月の主題 Helicobacter Pyloriと胃リンパ腫

主題症例

Helicobacter pylori除菌にもかかわらず腫瘍が消失しなかった胃MALTリンパ腫の1例

著者: 浦上慶仁1 佐野寿昭2

所属機関: 1浦上内科・胃腸クリニック 2徳島大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1027 - P.1033

文献概要

要旨 患者は50歳,女性.心窩部不快感を主訴に来院.初回の胃内視鏡検査で胃角部小彎に小さな潰瘍を認めた.通常の抗潰瘍剤の投与で治癒傾向が認められず,潰瘍の増悪を認めたため生検を施行,MALTリンパ腫と診断された.Helicobacter Pylori陽性のため除菌療法を施行した.除菌によりHelicobacter Pyloriの消失とともに内視鏡像も軽快した.生検組織学的には除菌後1年2か月間,経過観察中であるが,腫瘍細胞は消失することなく存続している.本例はHelicobacter Pyloriの除菌にもかかわらず,腫瘍が消失しない症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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