icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻8号

1996年07月発行

--------------------

編集後記 フリーアクセス

著者: 岡崎幸紀

ページ範囲:P.1054 - P.1054

文献概要

 序文に記されているように,この号の特集の意図は,Helicobacter Pylori(H. Pylori)とMALTリンパ腫の相関である.そういう目でみれば,主題論文の中には,いささか迫力に欠けるものがあるように感じられるかもしれない.H. Pyloriの胃粘膜障害機序が明らかでないこと,MALTリンパ腫の診断基準が確立されていないこと,MALTリンパ腫症例に限りがあること,生検組織切除標本にそれぞれ診断上のデメリットがあることなど,両者の病態には解明されていない点が多々ある.論文のはしばしに,この点に関しての著者の苦衷が窺える.感じられたとしたら,ご理解いただきたい.主題症例の1例1例には,それぞれ考えさせられることが多い.著者も,問題点および自己の主張を明確に述べている.

 いわば,混沌とした時代に,1つの方向を示すこの特集号を発行できたことに,感慨を覚える.企画の段階で,今,特集できるのか,と何度も挫折しかかったからである.執筆された諸氏に感謝したい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら