文献詳細
今月の主題 早期胃癌の内視鏡的粘膜切除―適応拡大をめぐる問題点
序説
文献概要
胃癌の治療には従来の外科手術に加えて内視鏡的粘膜切除(EMR),腹腔鏡下手術,縮小手術などの各種の治療法が考案され,行われるようになった.このため,胃癌の治療にも選択の幅が拡がったと言える.しかし,治療法の選択は,患者の立場に立った厳密な適応決定のうえで行われなければならないことは言うまでもないであろう.
EMRは開発されてから10年以上が経過した.本法は手技が簡単なこと,早期に病理組織学的な診断が得られること,術後のQOLが良いことなどから適応となる病変に対して積極的に行われるようになった.しかし,EMRはいくつかの問題点を有しており,これらを解決するために今日まで様々な検討が加えられてきた.そのいくつかを列記すると,①適応をどう決めるか,更にどこまで拡げられるか,②適応とした病変の臨床診断をどこまで正確にできるか,③確実に切除するにはどのように行うべきか,④根治を証明する組織学的診断基準をどのように設定するのか,⑤切除後,再発・遺残が証明された場合,次にどう処置するべきか,などが挙げられる.
EMRは開発されてから10年以上が経過した.本法は手技が簡単なこと,早期に病理組織学的な診断が得られること,術後のQOLが良いことなどから適応となる病変に対して積極的に行われるようになった.しかし,EMRはいくつかの問題点を有しており,これらを解決するために今日まで様々な検討が加えられてきた.そのいくつかを列記すると,①適応をどう決めるか,更にどこまで拡げられるか,②適応とした病変の臨床診断をどこまで正確にできるか,③確実に切除するにはどのように行うべきか,④根治を証明する組織学的診断基準をどのように設定するのか,⑤切除後,再発・遺残が証明された場合,次にどう処置するべきか,などが挙げられる.
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