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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻9号

1996年08月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的粘膜切除―適応拡大をめぐる問題点 主題

早期胃癌の内視鏡的粘膜切除術における超音波内視鏡検査の役割

著者: 杉山和久1 中澤三郎1 芳野純治1 山雄健次1 乾和郎1 山近仁1 印牧直人1 若林貴夫1 奥嶋一武1 小林隆1 岩瀬輝彦1 滝徳人1 西尾浩志1 中村雄太1 嘉戸竜一1 高島東伸1

所属機関: 1藤田保健衛生大学第二病院内科

ページ範囲:P.1113 - P.1120

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要旨 早期胃癌に対して超音波内視鏡検査(EUS)を行い,内視鏡的粘膜切除術(EMR)への適応との観点から深達度診断能および癌巣内潰瘍・潰瘍瘢痕の有無,癌巣近傍の壁内血管の存在診断への応用について検討した.使用機種は,周波数7.5/12MHzおよび20MHzのEUSを用いた.早期胃癌143病変の検討で,深達度診断能は7.5/12MHzEUSを用いた病変ではm癌72%,sm癌86%(sm1癌62%),20MHzEUSを用いた病変ではm癌76%,sm癌62%(sm1癌75%)であった.高周波数EUSは粘膜層,粘膜下層のより詳細な検討が可能なため,EMRの適応をより厳密に判定することが可能であった.深達度診断を誤った症例は潰瘍または潰瘍瘢痕を伴った病変に多くみられた.EUSは深達度診断のみならず,癌巣内潰瘍・潰瘍瘢痕の有無や周囲の血管の有無を含めての診断が可能で,治療法を選択するうえで有用と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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