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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻9号

1996年08月発行

今月の主題 早期胃癌の内視鏡的粘膜切除―適応拡大をめぐる問題点

主題症例

内視鏡的粘膜切除術後急速に2型進行癌に進展した噴門部小胃癌の1例

著者: 赤松泰次1 武川建二1 牛丸博泰2 大和理務2 清澤研道2 勝山努3

所属機関: 1信州大学医学部光学医療診療部 2信州大学医学部第2内科 3信州大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.1129 - P.1132

文献概要

要旨 患者は86歳,男性.噴門部後壁に認めた小胃癌に対して内視鏡的粘膜切除術を施行したところ,粘膜内にとどまる高異型度の高分化型ないし中分化型管状腺癌と診断されたが,切除断端は熱変性のため不明であった.1か月後の内視鏡検査で局所再発を認め,高周波焼灼術による内視鏡的再治療を行い,いったん生検陰性となったが,再度再発した.高度の呼吸機能低下と高齢を理由に手術は不可能と判断され,やむなく内視鏡的治療を続けたが,再発を繰り返した.その後癌病巣は急速に増大し,初回治療から8か月間で2型進行癌に進展した.再発病変が急速に増大した原因として,内視鏡的治療による刺激が癌細胞の発育を促進した可能性がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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