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書評「固形癌治療ハンドブック」
著者: 古河洋1
所属機関: 1大阪府立成人病センター外科
ページ範囲:P.1138 - P.1138
文献購入ページに移動 臨床腫瘍学,外科腫瘍学のハンドブックとして従来にない実用的な本である.現在に至るまで乳癌,胃癌をはじめとする癌治療において手術書はあっても,その効果・評価を時代に即して解説した本はあったであろうか.治療法を紹介しその善し悪しの判断は読者に任せるというスタイルがここに至って,今最もコンセンサスの得られている治療法は何かを紹介する立場に変わっている.そのためには,時代時代において治療法とその結果の検証が必要で,その過程・結果を記すには大きな“成書”ではなく,これくらいのサイズが適当であると思われる.
原典の「The M.D. Anderson Surgical Oncology Handbook」は本文440頁から成る外科腫瘍学のハンドブックで,訳者らはタイトルを「固形癌治療ハンドブック」としており,内容的にはぴったりである.序文(Foreword)にC.M. Balch, M.D.が述べているように,執筆者はM.D. Anderson Cancer Centerのフェロー(若手医師)であり,読者として同世代の医師たちを想定している.その内容は,疫学,リスクファクターをはじめ診断,病期分類,臨床的対応の最も重要なポイントを簡潔に述べており,主治医として大変重要な“集学的(multidisciplinary)治療計画”を強調している.“執筆陣に高名な先輩の名はない”が,その代わり大変柔軟で,確立されたとされるものにとらわれない生きた内容が掲載されている.
原典の「The M.D. Anderson Surgical Oncology Handbook」は本文440頁から成る外科腫瘍学のハンドブックで,訳者らはタイトルを「固形癌治療ハンドブック」としており,内容的にはぴったりである.序文(Foreword)にC.M. Balch, M.D.が述べているように,執筆者はM.D. Anderson Cancer Centerのフェロー(若手医師)であり,読者として同世代の医師たちを想定している.その内容は,疫学,リスクファクターをはじめ診断,病期分類,臨床的対応の最も重要なポイントを簡潔に述べており,主治医として大変重要な“集学的(multidisciplinary)治療計画”を強調している.“執筆陣に高名な先輩の名はない”が,その代わり大変柔軟で,確立されたとされるものにとらわれない生きた内容が掲載されている.
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