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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻9号

1996年08月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

回盲弁lipohyperplasiaを合併した回腸末端部カルチノイドの1例

著者: 池田陽一1 川元健二2 八尾隆史3 宇都宮尚3 井上秀樹1 阿部光一郎2 本岡慎4 北川晋二5 原口幸昭1

所属機関: 1早良病院外科胃腸科 2九州大学医学部放射線科 3九州大学医学部第2病理 4北九州医療センター放射線科 5福岡大学医学部放射線科

ページ範囲:P.1147 - P.1153

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要旨 患者は56歳,男性.血便を主訴として,近医を受診した.経口小腸造影で回盲部の異常を指摘され,当院に紹介された.注腸X線検査で,回盲弁の著明な腫大と同弁に隣接した回腸末端部に,径2cm大の腫瘤を認めた.大腸内視鏡では,腫大した回盲弁口から突出した発赤を伴う不整な隆起性病変を認め,生検の結果,カルチノイド腫瘍と診断された.病理組織学的には,粘膜下層を主座とする充実胞巣状の腫瘍細胞の増殖から成り,固有筋層まで達し,1群リンパ節転移も認めた.また腫大した回盲弁は粘膜下に過剰に増生した成熟脂肪組織から成り,lipohyperplasiaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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