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文献詳細

雑誌文献

胃と腸31巻9号

1996年08月発行

早期胃癌研究会症例

多発大腸癌を併発した潰瘍性大腸炎の1例―本邦報告例の集計を含めて

著者: 日置弥之1 綿引元1 斎藤雅之1 河合隆1 山本英明1 樋口哲也1 多々見光仁1 長田裕2 小川博3 嵩眞佐子3

所属機関: 1聖隷三方原病院消化器科 2聖隷三方原病院外科 3聖隷三方原病院病理

ページ範囲:P.1155 - P.1164

文献概要

要旨 患者は43歳の男性.粘血便を主訴に28歳で発症.全大腸炎型,慢性持続型の潰瘍性大腸炎として,13年間経過観察を行っていた.1993年12月の内視鏡検査で,上部直腸に大小不同の扁平隆起の集簇した全周性病変を認め,また,直腸S状部に結節状隆起を認めた.生検でいずれも癌を認めたため,潰瘍性大腸炎に併発した多発癌と診断し,大腸全摘術,回腸直腸吻合術を施行した.病理組織学的に,上部直腸病変は深達度smの高分化腺癌と深達度sm,mp,seの粘液癌が混在しており,直腸S状部病変は深達度mの高分化腺癌であった.dysplasiaも存在した.1年4か月の短期間に,進行癌を含む多発癌を併発した潰瘍性大腸炎の症例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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