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編集後記
著者: 浜田勉
所属機関:
ページ範囲:P.1176 - P.1176
文献購入ページに移動 早期胃癌のEMRは実際どのような範囲まで適応が拡大されるのかが本号の狙いである.適応拡大には,次の2つの段階があると考えられる.
まず第1段階は,病理学的にみたリンパ節転移のないsm癌の範囲である.今回,藤崎らがsm微小浸潤例を示し適応拡大が可能であることを示した.しかし,診断側からみるとそれらはm癌の域を越えないし,EUSでもsm1の診断は不良と杉山も述べた.したがって,臨床からみるとせいぜい大きさが30mm以下でX線・内視鏡でm癌と診断したものが適応だが,蘆田症例は組織型の重要性を警鐘している.また,切除標本の検索方法では,2mm間隔で切り出すことは固まったと言えそうだが,分割切除での浸潤範囲や深達度の決め方をどうするのか,病理医の明確な考え方は今回示されなかった.
まず第1段階は,病理学的にみたリンパ節転移のないsm癌の範囲である.今回,藤崎らがsm微小浸潤例を示し適応拡大が可能であることを示した.しかし,診断側からみるとそれらはm癌の域を越えないし,EUSでもsm1の診断は不良と杉山も述べた.したがって,臨床からみるとせいぜい大きさが30mm以下でX線・内視鏡でm癌と診断したものが適応だが,蘆田症例は組織型の重要性を警鐘している.また,切除標本の検索方法では,2mm間隔で切り出すことは固まったと言えそうだが,分割切除での浸潤範囲や深達度の決め方をどうするのか,病理医の明確な考え方は今回示されなかった.
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