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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻1号

1997年01月発行

文献概要

今月の主題 胃sm癌の細分類―治療法選択の指標として 主題

胃sm癌の深達度と粘液形質および癌関連遺伝子産物の発現

著者: 大屋正文1 八尾隆史1 恒吉正澄1

所属機関: 1九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.31 - P.39

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要旨 胃sm癌を腫瘍先進部のレベルでsm1からsm3に分類し,リンパ節転移との関連を検討した.リンパ節転移率はsm1で8.1%,sm2で17.0%,sm3で30.4%と壁浸潤とともに増加し,m癌(2.2%)と有意差がみられた.リンパ節転移例は非転移例よりも病変部面積とsm/m比が有意に大であり,リンパ管侵襲率が高かった.リンパ節転移群はm癌の時点から胃型粘液を優位に認めたが,非転移例は壁浸潤に並行して胃型形質の発現例が増加し,粘液形質と生物学的悪性度との関連が示唆された.p53蛋白およびc-erbB-2蛋白の過剰発現とリンパ節転移との関連はなかった.sm1癌のリンパ節転移例は,全例潰瘍や潰瘍瘢痕を認める陥凹型腫瘍で,組織学的には低分化腺癌領域を少なくとも一部に認め,リンパ管侵襲が4例(67%)にみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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