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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻1号

1997年01月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

多彩な大腸病変を呈した成人T細胞性白血病(ATL)の1例

著者: 落合利彰1 酒井健二1 本松利治1 西原秀一郎2 加藤誠也3 林逸郎3 久保川賢4 千々岩芳春4 名和田新4

所属機関: 1福岡県立嘉穂病院内科 2西原内科消化器クリニック 3久留米大学医学部第2病理 4九州大学医学部第3内科

ページ範囲:P.107 - P.114

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要旨 患者は59歳,男性.下痢,下血の精査加療目的で入院.血液検査で白血球数増加,核に切れ込みのあるflower cell様の異常リンパ球の出現を認めた.また,血清抗HTLV-I抗体が陽性,LDHも高値を示し成人T細胞性白血病(ATL)と診断された.消化管検査で胃および小腸にびらん,小潰瘍の多発が認められた.大腸には直腸から回盲部にびまん性に発赤の強い顆粒状隆起が拡がり,S状結腸にはびらん,小潰瘍が,また,直腸には扁平隆起が認められた.それぞれの生検組織診で末梢血と同様の異常リンパ球を認め,広範に消化管浸潤を伴ったATLと診断された.本症例の大腸病変は過去に報告をみない特異な所見を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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