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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻10号

1997年09月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌―X線診断の進歩 主題

ルーチンX線検査における食道粘膜癌の診断―その診断技術の質的向上に関する検討

著者: 鈴木雅雄1 下川邦泰2 小川博3 綿引元1

所属機関: 1聖隷三方原病院消化器センター内科 2岐阜大学医学部臨床検査医学 3聖隷三方原病院病理

ページ範囲:P.1299 - P.1309

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要旨 早期食道癌のうち,m癌のルーチンX線診断について検討した.ルーチンX線検査が先行した中で,16例27病変のm癌を発見した.m3の9病変,m2の10病変はいずれも初回X線検査時に癌確診,疑診できた.m1の8病変では4例で疑診,1例は拾い上げ診断できたが,微小癌の3例は拾い上げできなかった.m1では最小12mmが診断できた.撮影技術では,食道内を造影剤で十分に洗い流した後に,造影剤が食道粘膜に薄く付いた状態で,適度に伸展した“良い二重造影像”を,被検者の食道癌のリスクに応じた検査体系で撮ることが大切である.読影技術からは,m癌の診断には壁辺縁の所見よりも,粘膜面の異常所見,淡い不整陰影像,不整顆粒像に着目することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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