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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻10号

1997年09月発行

今月の主題 早期食道癌―X線診断の進歩

主題

早期食道癌のX線深達度診断―正面像の解析から

著者: 加藤久人1 吉田操2 門馬久美子1 小澤宏1 山田義也1 葉梨智子2 荒川丈夫3 榊信廣3 中村二郎4 小池盛雄4

所属機関: 1東京都立駒込病院内科 2東京都立駒込病院外科 3東京都立駒込病院内視鏡科 4東京都立駒込病院病理科

ページ範囲:P.1323 - P.1337

文献概要

要旨 早期食道癌のX線正面像による深達度と拡がりの診断を検討した.その結果,0-Ⅱc型病変の深達度ごとのX線形態が明らかになった.m1~m2a癌の88%は平坦または不鮮明な模様のごく軽度の陥凹であり,m2b癌では78%が明らかな顆粒を伴う軽度陥凹として描出された.m3~sm1癌は軽度陥凹+隆起(53%),中等度陥凹(47%)の2つの病型を示し,粘膜筋板浸潤部にひだの肥厚所見がみられた.病変の拡がりは,粘膜ひだの不整と陰影斑の所見から82%の症例で診断可能であった.O-Ⅱa型病変でも病変の形態が重要で,顆粒集簇型と結節隆起型を呈する84%の症例では隆起の高さと大きさによって深達度診断が可能であったが,単発隆起型(16%)の診断は不十分であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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