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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻10号

1997年09月発行

文献概要

今月の主題 早期食道癌―X線診断の進歩 主題

早期食道癌診断におけるdigital radiographyの有用性

著者: 杉野吉則1 今井裕1 藤澤裕久1 天羽洋1 熊倉賢二1 平松京一1 小澤壮治2 安藤暢敏2 北島政樹2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部放射線診断科 2慶應義塾大学医学部一般消化器外科

ページ範囲:P.1339 - P.1345

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要旨 digital radiography(DR)は従来のX線フィルム-増感紙による撮影系(CFSS)に比べると多くの機能を有しており,消化管の中でも特に検査が難しい早期食道癌の造影にはこれらの機能が役に立つ.リアルタイムの画像表示は,病変の存在,性状や周在性などが検査中に確認できるので描出能が向上し,撮影の失敗も激減する.連続撮影によって撮影のタイミングを逸することがなくなり,伸展度や造影剤の付着が異なった画像が簡単に撮影できるようになる.被曝線量の軽減も利点の1つであり,撮影時間を短縮できるのでブレが少なくなる.更に,画像処理することによって病変の描出性が向上する.今後,課題である空間分解能やダイナミックレンジ,ノイズなどの問題が解決されれば,DRは早期食道癌のX線診断に新しい展開をもたらすと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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