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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻10号

1997年09月発行

文献概要

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書評「ヘリコバクター・ピロリ除菌治療ハンドブック」

著者: 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学内科

ページ範囲:P.1346 - P.1346

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 Helicobacter pylori(HP)と上部消化管疾患との関連は消化器関連学会のトピックスである.本書の編者の1人,藤岡が第1章でまとめているように,①HPは胃炎・消化性潰瘍患者の胃粘膜から高頻度に分離され,ヒトにおける最も高頻度の慢性感染症である,②感染実験で急性胃炎を引き起こし,組織学的な慢性活動性胃炎が持続する,③除菌療法により消化性潰瘍の再発が有意に抑制される,などの点がHP研究の今日の隆盛をもたらしたのであろう.

 HPがどのような機序で胃粘膜傷害を引き起こすのかについては,様々な角度から研究されている.本書はこれらのメカニズムについては詳しく言及せず,タイトルの「除菌治療ハンドブック」からもわかるように,臨床的事項に焦点を絞って編集されたものである.その構成は“なぜ除菌が必要なのか”,“除菌治療の判定はどのように行うのか”という総論から始まり,HPがなぜ注目されているのかについてのreviewと,各種疾患との関わりが簡潔にまとめられている.HP感染の診断については判定のガイドラインを含め,各種検査法が紹介され,診断の概要が把握できるようになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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