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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻10号

1997年09月発行

早期胃癌研究会症例

陥凹内にドーム状隆起を形成したsm微少浸潤大腸癌の1例

著者: 多田修治1 上野直嗣1 神尾多喜浩2 川野芳朗3 池田和隆1 須古博信1

所属機関: 1済生会熊本病院消化器科 2済生会熊本病院病理 3川野胃腸科内科

ページ範囲:P.1389 - P.1394

文献概要

要旨 患者は64歳の男性で,腹部膨満感を主訴に大腸内視鏡検査を行ったところ,S状結腸に陥凹内に隆起を形成した病変が認められた.生検でgroup5の診断を得,当院入院となった。術前の注腸X線検査および内視鏡検査で,星芒状の境界を示す陥凹の中心に,ドーム状の隆起を認めた.しかし,形態は空気量によって著明に変化した.S状結腸部分切除が行われ,病理組織学的には径15×11mm,Ⅱc+Ⅱa型,深達度sm1の高分化腺癌であった.陥凹内隆起形成は癌のsm多量浸潤によって形成されることが多いと考えられていたが,本例の陥凹内隆起の主体は癌の粘膜内増殖によって成り立っていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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