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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻11号

1997年10月発行

文献概要

今月の主題 Is型大腸sm癌を考える 主題

Is型大腸癌とは―私はこう考える

著者: 渡辺英伸1

所属機関: 1新潟大学医学部第1病理

ページ範囲:P.1413 - P.1416

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1.Is大腸癌の問題点

 まず第1の問題は,Is型癌の肉眼的高さが研究者間で一致していない点である(高さは,移行粘膜を除いた正常部粘膜の表面から病変頂部までの高さを指す.粘膜ひだの上に癌がある場合,ひだ上の正常粘膜を用いる).すなわち,“Is型癌は3mmよりも高い病変”1),“1mmよりも高い病変”,“腫瘍の高さが腫瘍の横幅の1/2よりも高い病変”,“高さを規定せず,肉眼感覚で高い隆起性病変”,などと多様な意見がある2)

 更に,Is型癌とは,“肉眼的に無茎性である隆起型癌のうち,腫瘍部分の組織学的粘膜高が正常粘膜のそれの2倍よりも高い癌”との意見もある.粘膜筋板直上から正常粘膜表面までの高さは一般に手術例で0.4~0.6mm.したがって,粘膜筋板直上から垂直方向で測定した癌部分の粘膜高が1mmよりも高いとIs型とされている.腫瘍部分の粘膜高には,腫瘍が粘膜全層を占めている場合と非腫瘍組織が粘膜深層に残存している場合とがある.内視鏡的粘膜切除例では,しばしば正常粘膜が過伸展されて,背が低くなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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