今月の主題 Is型大腸sm癌を考える
主題
Is型sm癌の成り立ち―内視鏡の立場から―特にpit patternによる発育形態分類の有用性の検討を中心に
著者:
鶴田修12
河野弘志12
藤田三丈12
辻雄一郎12
宮崎士郎12
富安信夫12
山脇眞12
重松聡江12
立石秀夫12
中原慶太12
藤崎一浩12
池田英雄12
豊永純12
谷川久一12
前川隆一郎3
井手耕一4
長田英輔5
森松稔6
所属機関:
1久留米大学医学部第2内科
2久留米大学医学部消化器センター
3社会保険田川病院内科
4聖マリア病院消化器内科
5長田病院
6久留米大学医学部第2病理
ページ範囲:P.1451 - P.1459
文献購入ページに移動
要旨 Is型大腸sm癌51病変の発育形態を実体顕微鏡的な病変辺縁部腫瘍性pitの有無によりpolypoid growth(PG)とnon-polypoid growth(NPG)に分け,まず発育形態とsm浸潤度との関係について検討し,更に発育形態別にsm浸潤度と関係する組織学的因子の検討を行い,以下の結果を得た.NPGに関しては①Is型のNPGということだけで,まずsm2,sm3のsm massive癌であり,②病変表層部desmoplastic reaction(DR)の存在はsm浸潤度と相関し,③sm2,sm3間の病変の大きさに有意差を認めた.PGに関しては浸潤度と関係のある組織学的因子は指摘できなかった.臨床的にはpit patternによるPG,NPG分類や大きさの測定は通常内視鏡でも可能であり,病変表層部DRの有無は拡大内視鏡下のVA pitの存在により判定可能になってくるものと思われた.