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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻11号

1997年10月発行

文献概要

今月の主題 Is型大腸sm癌を考える 主題

Is型大腸sm癌の成り立ち―病理の立場から

著者: 加藤洋1 中山剛之1 柳澤昭夫1 小泉浩一2 太田博俊3

所属機関: 1癌研究会癌研究所病理 2癌研究会附属病院内科 3癌研究会附属病院外科

ページ範囲:P.1473 - P.1478

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要旨 進行大腸癌の直前先行病変として注目されているIs型大腸sm癌10例〔内視鏡的摘除(endoscopic resection;ER)6例,手術4例〕をreviewし,Is型sm癌の成り立ちを考察した.これら症例はすべて最大径10mm以上であり,ER例の大きさは10~20mm(平均13mm)であるのに対し,手術例は20~30mm(平均24mm)であった.癌の組織型は,ほとんどが明らかな腺癌(超高分化癌ではない)で,深達度はsm13例,sm26例,sm31例であり,手術例に深い例が多かった.また,下田・池田らのpolypoid growth(PG)は,10例中9例にみられた.腺腫成分は5例(すべてER例)のみにみられたが,陰性の5例中4例はよりサイズの大きい手術例であった.したがって腺腫成分は腫瘍の増大に伴い消失するものと思われた.以上の結果から,Is型大腸sm癌は,その多くがPG由来,腺腫由来であり,non-PG由来,de novo carcinomaはあってもまれと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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