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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻11号

1997年10月発行

文献概要

今月の主題 Is型大腸sm癌を考える 主題

Is型大腸sm癌のリンパ節転移危険因子に関する病理形態学的検索

著者: 岩下明徳1 山田豊1 尾石樹泰12 大重要人12 溝口幹朗1 小林広幸3 山本一郎4 渕上忠彦3 八尾恒良2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理 2福岡大学筑紫病院消化器科 3松山赤十字病院消化器センター 4松山赤十字病院病理部

ページ範囲:P.1511 - P.1520

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要旨 外科切除Is型大腸sm癌78例79病変について,リンパ節転移危険因子

を中心に病理形態学的立場から検討した.転移率は全癌10.1%,sm1癌5.9%,sm2癌10%,sm3癌119%と深達度別のそれに有意差はなかった.高分化腺癌8.5%よりも中分化腺癌28.6%で高い傾向がみられ,加えて転移陽性癌全8病変の発育先進部に低分化癌部を認めた.リンパ管侵襲程度に比例してly0.0%,ly118.8%,ly2.50%と増加し,lyoと後2者問には有意差が確認された.簇出群19.4%と非簇出群2.4%では前者に有意に高率であった.細胞増殖能Ki-67L.I.および癌抑制遺伝子産物p53,血管内皮増殖因子VEGF,増殖因子受容体蛋白c-erbB-2の発現は転移癌と非転移癌間に差はなかった.以上の結果から,リンパ管侵襲,簇出,組織型特に発育先進部の低分化像の3つが重要な危険因子であることを指摘し,局所切除の絶対的適応となるIs型癌はly0の癌と結論した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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