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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻12号

1997年11月発行

今月の主題 腺領域からみた胃病変

主題

腺領域からみた胃癌の診断

著者: 大井田正人1 木田芳樹1 今泉弘1 田辺聡1 木田光広1 小泉和三郎1 西元寺克禮1

所属機関: 1北里大学東病院消化器内科

ページ範囲:P.1599 - P.1605

文献概要

要旨 早期胃癌863病変(未分化型284病変,分化型579病変)と,そのうち微小胃癌80病変(未分化型17病変,分化型63病変),表層拡大型胃癌48病変(未分化型17病変,分化型31病変)について腺領域からみた検討を行った.早期胃癌の存在は幽門腺領域80%,中間帯領域14%,胃底腺領域6%と幽門腺領域に多かった.幽門腺領域の組織型,肉眼型,深達度をみると,分化型癌は74%,隆起型28%,m癌68%であった.胃底腺領域では未分化型癌の比率は83%,陥凹型95%,m癌38%と腺領域による頻度に違いがあった.更に,胃底腺領域の微小胃癌は全例が陥凹型を呈する未分化型癌であった.表層拡大型胃癌はC領域(38%)で小彎(73%)のものが多かったが,腺領域からみると全例が幽門腺領域を主座として拡がり,胃底腺領域への浸潤はまれであった.腺領域を知り観察することは,胃癌の存在,質,量を予測でき,臨床診断に大きく寄与するものと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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