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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻12号

1997年11月発行

今月の主題 腺領域からみた胃病変

主題

腺領域からみた胃癌の診断

著者: 松田彰郎1 西俣嘉人1 美園俊明2 西俣寛人1 寺田芳一3 盛満憲生3 嵜山敏男2 児島豊史2 谷口保2 川畑拓也2 大井秀久1 新原亨1 仁王辰幸1 有馬暉勝2 山田一隆4 末永豊邦4

所属機関: 1南風病院消化器科内科 2鹿児島大学医学部第2内科 3鹿児島消化器研究会 4南風病院外科

ページ範囲:P.1607 - P.1616

文献概要

要旨 1987年4月から1997年3月までに切除された胃癌症例を対象にして,癌組織型と背景粘膜およびF境界線との関係について検討した.胃癌の組織型は分化型癌541病変,未分化型癌277病変であった.未分化型癌と比べ分化型癌の症例は男性に多く,平均年齢も高く,腸上皮化生の程度も中等度~高度なものが多く従来の報告と同様であった.また胃癌とF境界線との関係を検討し以下の結果を得た.①未分化型癌で2cm以下の病変はF境界線近傍領域に多く存在した.②F境界線から離れた幽門線領域の未分化型癌は,2cm以下の病変の割合が他の領域より低く,悪性所見に乏しい発見されにくい病変の存在が考えられた.③1cm以下の分化型癌においてF境界線から2cm以内の領域に存在するものはその約2割がsm2以深に浸潤しており,それ以外の領域に存在するものに比べ深く浸潤している傾向がみられた,④胃癌においては同じ組織型であっても,その存在する領域で形態(悪性所見)や生物学的ふるまいが異なっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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