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文献概要
今月の主題 との鑑別を中心に 序説
胃sm癌の細分類―治療法選択の指標として
著者: 大柴三郎1
所属機関: 1大阪医科大学
ページ範囲:P.1673 - P.1674
文献購入ページに移動 「胃と腸」32巻1号(1997)の主題論文および座談会を熟読含味していただくと,本号の意とするところはほとんどすべてが網羅されている.すなわち病巣の拡がり(大きさ),組織型,潰瘍瘢痕(Ul)の有無によって多少の違いはあるが,一般にm,sm1癌は病巣局所の切除摘出のみで根治が期待できるが,sm2,sm3になればリンパ節(n)への転移が高率にみられ,局所治療だけでは根治性は望めない.したがって最終目標である完全治癒を期するためには,同じ早期癌ではあるがsm1とsm2とは明らかに治療方針の決定に際し区別されるべきである。臨床的に治療法選択に深く結びついている.そこで,sm1までの深達度とsm2以深の深達度癌鑑別に深く結びついている内視鏡下の粘膜切除術(endoscopic mucosal resection;EMR),腹腔鏡下切除術(laparoscopic local resection;LLR),特に前者を中心に整理してみる.
1979年,有茎性胃ポリープの内視鏡下絞扼切除術が常岡により報告され,以来本格的に内視鏡治療の発展がみられた.胃癌のEMRは1983~84年に平尾,竹腰,多田らにより相次いで報告され,それぞれ新しい技術手技の工夫が加えられ,全国的に普及してきた.
1979年,有茎性胃ポリープの内視鏡下絞扼切除術が常岡により報告され,以来本格的に内視鏡治療の発展がみられた.胃癌のEMRは1983~84年に平尾,竹腰,多田らにより相次いで報告され,それぞれ新しい技術手技の工夫が加えられ,全国的に普及してきた.
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