今月の主題 との鑑別を中心に
主題
sm胃癌に対する超音波内視鏡による診断能の検討
著者:
木田光広1
国東幹夫1
渡辺摩也1
菅野聡1
近藤一英1
木田芳樹1
今泉弘1
小林清典1
田辺聡1
山田至人1
坂口哲章1
野登誠1
小泉和三郎1
三橋利温1
大井田正人1
西元寺克禮1
菊池史郎2
小林伸行2
嶋尾仁2
比企能樹2
上杉秀永3
三富弘之3
岡安勲3
所属機関:
1北里大学東病院内科
2北里大学東病院外科
3北里大学東病院病理
ページ範囲:P.1699 - P.1708
文献購入ページに移動
要旨 通常型超音波内視鏡群1,109例,20MHz通常型超音波内視鏡群105例,超音波プローブ群302例の切除胃癌のうち,sm癌241例,19例,78例を対象として超音波内視鏡の深達度診断の現状の検討と将来展望,特に三次元超音波内視鏡につき報告した.sm癌の進行度は,従来のsm層の3等分による浅層(従来のsm1)が絶対値では約1mmであることから,sm浸潤が1mm以下のものをsm1,1~2mm以下のものをsm2,2mmを超えるものをsm3とし,更に,sm1を0.5mm以下のsm1aと0.5~1mm以下のsm1bとして細分類した.超音波内視鏡による深達度診断成績は,sm1a32.1%(18/56),sm1b57.1%(44/77),sm276.9%(80/104),sm387.1%(88/101)とやはりsm1の成績は不良であった.この傾向は,sm浸潤の横への拡がり別の検討でも同様で,5mm以下の成績は49.4%と不良であった。組織型による深達度診断成績の差は明らかではなかったが,肉眼型による差は明らかで陥凹型,隆起型の成績が65.7%,61.0%と不良であった.微少浸潤の同定に三次元超音波内視鏡が期待されている.