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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻13号

1997年12月発行

早期胃癌研究会症例

炎症性ポリポーシスを伴った狭窄型の限局性分類不能大腸炎(unclassified colitis)の1例

著者: 藤代浩史1 今岡友紀1 末次浩1 佐藤宏1 高下成明1 長岡三郎2 天野祐二3 渡辺誠3 福本四郎3

所属機関: 1島根県立中央病院消化器科 2島根県立中央病院病理 3島根医科大学第2内科

ページ範囲:P.1751 - P.1755

文献概要

要旨 患者は48歳,男性.大腸癌検診で便潜血陽性を指摘され当科受診.自覚症状はなく,既往症に特記事項なし.血液,生化学検査に異常なく,大腸X線検査で上行結腸に限局した,硬化を伴わない全周性の狭窄像を認めた.表面は大小不同の整な結節の集簇で占められ,その間に薄いバリウムの溜まりを認めた.内視鏡所見では結節の表面は周囲粘膜とほぼ同様の色調,光沢を持ち炎症性変化が考えられた.生検所見からは確定診断が困難であった,大腸癌を完全に否定できず,大腸切除術を施行した.切除切片では上行結腸は約2cmにわたり狭窄し,表面はpolypoid lesionで覆われ,その間にびらんを認めた.病理組織学的所見では悪性像はなく,polypoid lesionは炎症性ポリープであり,炎症は粘膜下層までにほぼ限局し,所々に粘膜下膿瘍が認められた.病理所見も診断不能の腸炎であり,限局性の分類不能大腸炎と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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