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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻2号

1997年02月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸乳頭部癌―縮小手術をめざして 主題

十二指腸乳頭部癌の診断

著者: 三好広尚1 中澤三郎2 芳野純冶2 山雄健次2 乾和郎2 山近仁2 印牧直人2 若林貴夫2 奥嶋一武2 岩瀬輝彦2 滝徳人2 服部外志之1

所属機関: 1山下病院内科 2藤田保健衛生大学第2病院内科

ページ範囲:P.143 - P.149

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要旨 最近経験した十二指腸乳頭部癌16例の診断について内視鏡を中心に報告した.臨床症状は,黄疸が16例中10例(62.5%)と高率に認められ,腹痛,発熱,黒色便が各1例で,無症状例は3例であった.入院時血液生化学検査はγ-GTP値,次いでALP値,総ビリルビン値の異常が認められた.生検診断率はERCP下生検で癌陽性と診断しえたものは12例中10例(83.3%)で,悪性所見が得られなかった2例の肉眼型は露出腫瘤型,組織型は中分化型管状腺癌であった.一方,PTCS下生検で癌陽性と診断しえたものは7例中5例(71.4%)で,悪性所見が得られなかった2例の肉眼型は腫瘤潰瘍型,組織型は高分化型管状腺癌であった.十二指腸乳頭部癌におけるEUS,細径超音波プローブの進展度診断能はそれぞれ十二指腸浸潤は89%,100%,膵臓浸潤は78%,90%であり,EUSなど従来の診断法に細径超音波プローブを加えることで,より正確な進展度診断が可能となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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