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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻2号

1997年02月発行

文献概要

今月の主題 十二指腸乳頭部癌―縮小手術をめざして 主題

十二指腸乳頭部癌の診断―EUSの立場から

著者: 安田健治朗1 中島正継1 趙栄済1 向井秀一1 芦原亨1 平野誠一1 望月直美1 田中聖人1 宇野耕治1 東條正英1 富岡秀夫1 矢崎とも子1 塚田圭子1 上田モウセ1 宮田正年1 李相植1

所属機関: 1京都第二赤十字病院消化器科

ページ範囲:P.151 - P.156

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要旨 超音波内視鏡(EUS),ならびに超音波プローブ(IDUS)による乳頭部癌診断の意義は,腫瘍の進展度診断である.38例の乳頭部癌のうち,超音波(US)で膵胆管拡張を指摘された25例の中で5例がEUSで診断された.また,USで異常を認めなかった5例のうち1例がEUSで診断されたが,いずれもEUSの内視鏡機能による診断であった.EUSによる乳頭部病変の鑑別診断も期待されるが,EUS,IDUSとも他の画像診断法で指摘された病変の進展度を判定する手段と考えられた.EUSによる乳頭部癌の進展度正診率は十二指腸浸潤診断で84.4%,膵浸潤診断で81.3%,腫瘍進展度診断で78.1%,リンパ節転移診断で75%であった.IDUSでは,それぞれ80%,80%,70%,70%であった.満足できる成績とは言えないが乳頭部癌に対する治療法の選択を決定する際,特に縮小手術や内視鏡治療を論じる際に不可欠な検査法として評価される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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