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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻2号

1997年02月発行

文献概要

早期胃癌研究会症例

cap polyposisの1例

著者: 小林広幸1 望月祐一1 佐藤智雄1 吉田隆亮1 岸川英樹2 中村昌太郎3

所属機関: 1北九州市立若松病院内科 2北九州市立若松病院外科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.213 - P.219

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要旨 患者は67歳,女性.3年前から下腹部痛,粘液便あり.直腸に多発性隆起病変を認め,直腸粘膜脱症候群(MPS)を疑い経過観察していたところ,約1年後にS状結腸中部と上部にも新たに多発性隆起病変が出現していた.MPSとしては特異な病変の口側進展からcap polyposis(CP)を疑い,保存的治療を継続したが,症状は改善せず手術施行.切除標本でCPに特徴的な肉眼像(腸管の短軸方向の索状ひだの頂部に縦列する,表面発赤調の隆起病変で介在粘膜は正常)と病理組織像〔隆起表面粘膜の陰窩の過伸展と頂部に帽子(cap)状の炎症性肉芽組織の付着〕を認めCPと確診した.CPはMPSの類縁疾患と考えられているが,本邦ではまだ十分に認識されてなく,貴重な症例と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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