文献詳細
特集 炎症性腸疾患1997
主題 Ⅰ.診断 1.潰瘍性大腸炎
文献概要
要旨 潰瘍性大腸炎の診断は,慢性に持続・反復する粘血便の主訴から本症を疑うことから始まる.放射線照射歴,抗生剤服用歴,海外渡航歴などを聴取し,細菌学的・寄生虫学的検査を施行し類縁疾患を除外する.次に前処置なしでS状結腸内視鏡検査と生検を施行する.その特徴的所見により,積極診断と除外診断を行い確診に至る.内視鏡で口側の正常粘膜を観察できれば罹患範囲が決定する.重症例では治療を優先させ,深部の状態を知る必要があるときには,前処置なしで水溶性prednisoloneを混入した薄いバリウムを用いた充盈法により注腸X線検査を行う.前処置や検査による悪化を避けるよう,心がける.
掲載誌情報