icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻3号

1997年02月発行

文献概要

特集 炎症性腸疾患1997 主題 Ⅰ.診断 2.Crohn病

(5)小腸内視鏡検査

著者: 多田正大1 藤田直子1 森靖夫1 守屋新1 清水誠治2 菅田信之2 鹿田潮2 長島雅子2 大塚弘友2

所属機関: 1京都がん協会消化器科 2京都第一赤十字病院胃腸科

ページ範囲:P.351 - P.356

文献購入ページに移動
要旨 手技上の困難さから,小腸Crohn病に対する内視鏡観察は容易ではない.筆者らはCrohn病に対する小腸内視鏡検査の目的を,①他の類縁疾患との鑑別診断,②確定診断の下されたケースに対する治療方針,治療効果判定,などとしている.小腸Crohn病の内視鏡の特徴は大腸病変と同じである.X線検査と比較すると,より小さい不整形潰瘍やアフタについては内視鏡の診断能が優れている.したがって内視鏡検査は粘膜面のわずかな炎症所見の診断,すなわち本症の初期像や炎症の増悪時の診断,炎症が消褪し瘢痕化した時期の診断に適応がある.拡大内視鏡やEUSなどの導入によって,小腸Crohn病の診断や病態の解明にも新しい機運が生まれているものの,内視鏡観察そのものが難しいため,まだX線診断を凌駕するには至っておらず,これからの進歩に期待しなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?