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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻3号

1997年02月発行

文献概要

特集 炎症性腸疾患1997 主題 Ⅱ.治療

(2)外科的治療

著者: 福島恒男1 鬼頭文彦1 小尾芳朗1 石山暁1 松尾恵五1 杉田昭2 篠崎大3 藤井義郎1 山崎安信2

所属機関: 1横浜市民病院外科 2横浜市立大学医学部第2外科 3東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.389 - P.395

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要旨 潰瘍性大腸炎(UC)の外科治療は重症(大出血,中毒性結腸拡張,穿孔),難治(ステロイドに対する副作用,効果不良,大量投与例),大腸癌合併,発育障害,腸管外合併症などに対して行われる.緊急手術では,救命を優先し,結腸全摘,回腸人工肛門造設が行われ,待機手術では,大腸粘膜を全摘し,肛門機能を温存する大腸全摘,回腸囊肛門吻合術が広く行われている.一方,Crohn病(CD)では,狭窄,閉塞,瘻孔,膿瘍,難治などが主な手術適応で,このほかに穿孔,大出血,発育障害,腸癌,肛門病変などに対して手術が行われる.病変部位の切除が原則であるが,小腸の狭窄には狭窄形成術(strictureplasty)が行われる.UC,CDともに原因不明の腸潰瘍を主体とする疾患であり,UCでは薬物療法で,CDではこれに加えて栄養療法で長期緩解を目指して治療が行われている.外科も治療の一端を担っており,両疾患について手術適応,手術時期,手術方法などについての考え方を述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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