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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻3号

1997年02月発行

文献概要

特集 炎症性腸疾患1997 主題 Ⅳ.長期予後

(1)潰瘍性大腸炎

著者: 瀬崎徳久1 谷嶋隆之1 林學1 間山素行1 若林芳敏1 炭田正俊1 池田政文1 田口忠男2 水野幸一3

所属機関: 1千葉県がんセンター消化器内科・画像診断部 2千葉労災病院内科 3水野胃腸科・内科医院

ページ範囲:P.413 - P.420

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要旨 潰瘍性大腸炎の長期予後について,発症から10年以上の長期経過例(105症例)を対象として画像(X線,内視鏡)からみた長期経過を含めた検討を行い,以下の結果を得た.①死亡率は1.0%,累積生存率は99.0%とその長期予後は比較的良好である.②手術率は10.5%で,その大半は相対的適応例であった.③癌発生率は0%,癌併存率は1.0%と少なかったが,癌の早期発見には特に緩解期における質の高い画像診断が有用である.④経時的に再燃率は低下し,10年以後の再燃率は軽症再燃まで含めても49.2%で,中等症以上での再燃率は21.1%と少ない.⑤罹患部位の口側進展率は19.0%と少なく,発症時に罹患部位はほとんど決定された.⑥発症時の画像所見は,長期予後(再燃率,緩解率,手術率など)の推定に有用である.更に,難治性潰瘍性大腸炎の画像について述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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