文献詳細
特集 炎症性腸疾患1997
主題 Ⅴ.鑑別診断
文献概要
要旨 腸型Behçetと単純性潰瘍の典型像は,回盲部近傍の打ち抜き様の深い潰瘍で,形態学的には病理組織像を含めて両者の鑑別は不可能であり,Behçet症状の有無で鑑別されている.しかしながら,腸型Behçetでは口内アフタと同様にアフタ様潰瘍が消化管に多発し,反復して出現することをしばしば経験する.この点が両疾患の鑑別点になるのかもしれない.両者の鑑別は困難であるにしても,そのほかの疾患との鑑別に困ることはまずないが,Crohn病,潰瘍性大腸炎,腸結核に類似した所見を呈した腸型Behçetの症例を提示し,それら疾患との鑑別点について述べた.
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