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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻3号

1997年02月発行

特集 炎症性腸疾患1997

主題 Ⅴ.鑑別診断

(10)放射線腸炎

著者: 牛尾恭輔1 石川勉1 宮川国久1 飯沼元1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.505 - P.509

文献概要

要旨 放射線腸炎は放射線治療によって生じた腸管の炎症性病変である.腸管の障害は,照射中に生じる早期障害と照射終了後に生じてくる晩期障害に分けられる.画像上で診断できるのは後者で,びらん,潰瘍,狭窄,穿孔,瘻孔などが出現してくる.病変は中央部で著明で,周辺部になるにつれて軽度となる.組織学的には炎症性細胞の浸潤や肉芽組織の形成が乏しく,血管に閉塞性変化やしばしば血栓形成がみられる。放射線大腸炎には,健常者に比して大腸癌が2~3倍合併しやすく,その場合,①扁平な癌の率が高い,②癌が多発しやすい,③癌病変と非癌部との境界が不明瞭である,④粘液癌の率が多い,⑤周囲粘膜に異型性細胞が認められる,などの特徴を示す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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