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文献詳細

雑誌文献

胃と腸32巻3号

1997年02月発行

特集 炎症性腸疾患1997

ノート

炎症性腸疾患の病因論―最近の話題

著者: 日比紀文1 長沼誠1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部附属病院消化器内科

ページ範囲:P.527 - P.530

文献概要

要旨 炎症性腸疾患の病因,病態はいまだ不明な点もあるが,近年の免疫学的研究の急速な進歩により,その病態は徐々に解明されつつある.IL-2,IL-10およびTCRβなどのノックアウトマウスやIL-7 transgenic mouseで慢性腸炎を発症することが報告され,腸局所での炎症形成にサイトカインネットワーク異常に基づく粘膜内での免疫異常反応の関与が証明されている.更に抗大腸抗体などの自己抗体や細胞障害性T細胞が潰瘍性大腸炎の粘膜障害に重要な働きをしていることが示唆されている.Crohn病でも炎症性サイトカインの関与が示唆されているほか,粘膜内CD4陽性細胞が病変形成に重要な役割を果たしていると考えられており,CD4陽性細胞を標的としてその活性化を抑制する治療法が検討されつつある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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