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特集 炎症性腸疾患1997
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文献概要
要旨 炎症性腸疾患の病因,病態はいまだ不明な点もあるが,近年の免疫学的研究の急速な進歩により,その病態は徐々に解明されつつある.IL-2,IL-10およびTCRβなどのノックアウトマウスやIL-7 transgenic mouseで慢性腸炎を発症することが報告され,腸局所での炎症形成にサイトカインネットワーク異常に基づく粘膜内での免疫異常反応の関与が証明されている.更に抗大腸抗体などの自己抗体や細胞障害性T細胞が潰瘍性大腸炎の粘膜障害に重要な働きをしていることが示唆されている.Crohn病でも炎症性サイトカインの関与が示唆されているほか,粘膜内CD4陽性細胞が病変形成に重要な役割を果たしていると考えられており,CD4陽性細胞を標的としてその活性化を抑制する治療法が検討されつつある.
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